「知らぬが仏、知るが煩悩」という言葉があります。
✅「本当の事情を知らないまま平然としている人をあざける揶揄や皮肉」
✅「余計な事を知ると嫌な思いをしたり悩みが増える」
として使われる事が一般的なのではないでしょうか?
私たちの日常には、知らなくてもよかったことや、知ると心がざわつくことが意外とたくさんあります。
友人のSNSの投稿を見て「私ももっと頑張らなきゃ」と焦ったり、家族や職場の小さな噂に心を痛めたり……。
そんなとき、ふと思い出すのが「知らぬが仏、知れば煩悩」ということわざです。
仏教でいう「煩悩」とは、私たちを悩ませる欲や怒り、嫉妬のこと。知らなければ心は穏やかですが、知ってしまうとそれが生まれてしまう――これが「知るが煩悩」です。
でも大切なのは、「知ったことに振り回されない」こと。煩悩をただ責めるのではなく、「ああ、これが私の心の動きなんだな」と受け止めるだけで、心は少しずつ自由になっていくのではないでしょうか。
私たち仏壇屋でも、お客様が「こうしなければいけないのか」と悩まれる場面をよく目にします。
仏壇やお位牌のことを詳しく知ると、迷いや不安が生まれることも。でも、それも決して悪いことではありません。
大切なのは、形式や知識に縛られるのではなく、家族やご先祖さまを想う気持ち。
少し肩の力を抜いて、心からの想いを形にすることで、自然と穏やかさが戻ってきませんか?
SNSや情報過多でつい、自分の思いや気持ちが振り回されてしまいそうなこの時代。
「知らぬが仏、知るが煩悩」という言葉は、今の私たちにこそ、そっと寄り添ってくれる智慧です。
知ったことに振り回されず、心を整えながら日々を過ごすこと。それが、家族にも自分にも優しい暮らしにつながるのではないでしょうか😊