
さて今回は、皆さんも聞き覚えのある言葉「有言実行」と、普段ではあまり聞きなれないであろう「不言断行(ふげんだんこう)」という言葉についてお話しさせていただきます。
ちなみにですが、「不言実行」という言葉もありますが、先程の「不言断行」とは少しニュアンスが異なります。
✅「不言実行」 あれこれ言わずに黙って行動すること。
✅「不言断行」言葉にせずとも一度決めたら躊躇わず実行すること。
私は自分の性格的にも「不言断行」の方がしっくりくるみたいなので今回はあえてコチラの言葉を選んでお話ししていきたいと思います😊
「有言実行」という言葉には、仏教の教えにも通じるものがあります。
人は口にした瞬間から、その言葉に自らの行いを縛られるものです。
だからこそ、「言葉に責任を持つ」ことが修行であり、心を整える一歩でもあります。
一方で、「不言断行」という言葉もまた、仏道の深いところに根ざしています。
仏教には“語らずして示す”という教えがあり、
説法よりも、僧の背中で法を説く──そんな姿が理想とされます。
つまり、「有言実行」は他者への約束、「不言断行」は自分との約束なのです。
職人の世界でも、この二つの言葉は息づいています。
「こんな仏壇を作りたい」と夢を語り、それを形にしていくのは「有言実行」
でも、本当に心に残る仕事というのは、多くを語らず、ただ黙々と木と向き合い、塗りと彫りを積み重ねる「不言断行」の先にあります。
たとえば、どんなに小さな部分でも、見えないところまで丁寧に仕上げる。
その姿勢を誰に語るわけでもなく、ただ「良いものを届けたい」と手を動かす。
そこに、静かな誇りが宿ります。
言葉で伝える強さもあれば、黙って貫く強さもある。
どちらも欠かせない人生の姿勢です。
有言実行は「人のために動く力」
不言断行は「自分を律する力」
仏壇も人生も、言葉と行動の両輪で成り立っています。
今日もまた、言葉少なに心を込めて、手を合わせたいですね。
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